中古車の購入を考えているけど「どこを見ればいいのかわからない」、「営業マンになにを聞けばいいかわからない」。そんな悩みを抱えてる方に、中古車を購入する時の注意点やチェックすべきことを解説いたします!
修復歴の有無を確認する
まず1番最初に確認しておきたいのが修復歴の有無だ。
修復歴有りの車は安く買えるというメリットもあるが、修復のある個所や度合いによっては後々の不具合や故障の原因にもなってしまう。
修復歴とは?
とは言っても、修復歴とは一体何なんだろう?という方もいらっしゃると思うので、簡単に修復歴の概念を解説します。
日本自動車査定協会の規定によると、交通事故や災害により、自動車の骨格部分の交換や修復をした経緯があるものを「修復歴」があるという。
また、過去に交通事故や災害による損傷がなくても縁石や降雪地の氷の塊などでフロア部分を突き上げ、凹みなどの損傷を負った場合も「修理歴」になる。
バンパーやドアパネル、フェンダーパネルの交換や板金修理歴は「修復歴」にはならない。
でも素人にはそんなの見分けることができません。
では、どうすれば簡単に「修復歴」の有無を判断できるのでしょうか?
鑑定(認定)付きの車を探して、鑑定書で修復歴の有無を確認する
中古車検索サイトのカーセンサーやグーネットでは、鑑定(認定)付きの車があります。これは販売店ではなく、カーセンサーやグーネット側のプロの検査員が直接中古車販売店の在庫車を検査して鑑定書を発行します。第三者機関による検査なので、もちろん虚偽はなく検査も正確です。鑑定書はインターネット上で確認できるので、販売店に足を運んだり問い合わせしたりしなくても事前に修復歴の有無を確認することができます。合わせて外装の傷や内装の状態等もある程度確認できます。
カーセンサーでは「カーセンサー認定」、グーネットでは「グー鑑定」付きの車を探しましょう。
カーセンサー認定についてはこちら
グー鑑定についてはこちら
多くの販売店は、カーセンサーとグーネットの両方に在庫車を掲載しています。ただ、鑑定(認定)を付けるのにも販売店は検査費用がかかるので、どちらか片方だけの鑑定(認定)を付けている販売店もあります。
念のため両方のサイトを確認してみてください。
納車前の点検整備の内容を確認する
中古車を購入する際には、納車前の点検整備の内容はしっかりと確認していただきたい。
たとえ購入時の価格が安くても、購入して間もなく部品の交換や整備が必要になってしまえば意味がない。
では、点検整備の内容のなにを確認すればいいのでしょうか?
そもそも納車前の点検が「有」なのか「無」なのか
中古車販売店の中には点検整備は何もしない「現状渡し」のお店があったり、車によっては「現状渡し」であったりする場合があります。
「現状渡し」は、ある程度安く購入できるというメリットはあるかもしれませんが、車に多少不具合があったとしてもそのままですし、そもそも点検をしていないので不具合があるかどうかもわからない状態です。
新古車や新車登録から2、3年しか経過していなく走行距離も少ない車は「現状渡し」でもそれほどリスクはないですが、ある程度年数が経過していて走行距離も多い中古車に関しては「点検整備渡し」の車をおすすめします。
点検の内容は自社点検(日常点検)レベルか、法定点検なのか
点検有りでも、点検の内容が日常点検レベルだとあまり意味がありません。
「日常点検」とは、プロの整備士や検査員が点検するのではなく、ユーザー自身が簡易的にライト廻りやエンジンルーム内のオイル量の点検、タイヤの状態等を点検することです。
中古車販売店は整備士資格を持っている従業員がいなくても営業はできるので、そのような販売店の自社点検のみだと安心はできないです。
中古車を購入する際は、できれば法定点検をしれくれる販売店や法定点検付きの車を選ぶと安心できます。
「法定点検」とは、安全走行を維持するための検査で、ディーラーや民間の整備工場等の地方運輸局長から認可を受けた「認証工場」や「指定工場」で実施することができます。
法定点検では、点検後に点検整備記録簿が発行されるので点検内容や車の状態を確認できるので安心です。
中古車販売店に認証工場や指定工場の認可を受けている自社工場があれば自社で法定点検を実施し、納車時に記録簿もくれます。
自社工場がない販売店でも、外注の工場で法定点検を実施してから納車してくれる販売店もあります。
新規車検付き=法定点検付きではない
新規車検付きの中古車だからといって、きっちり点検や整備をしてくれるとは限りません。
車検というのは、車が安全性や公害防止などの保安基準(道路運送車両法に定められる規定)に適合しているかを確認するもので、車検の検査に通った=車に不具合がないというわけではありません。逆に言うと、車に不具合や部品の消耗があっても車検の検査さえ通ってしまえば車検を取得できてしまいます。
たとえば、エンジンオイルがすごく汚れていたり、ブレーキパッドが摩耗していたり、ベルト類が劣化していても車検の検査は通ってしまいます。
自社で認証工場や指定工場がある販売店だと、車検と一緒に法定点検を実施し、油脂類や消耗品など整備や交換が必要な部分はある程度整備してから納車してくれるのが大半ですが、自社工場のない販売店や、販売価格が極端に安い販売店などは、持ち込み車検(陸運支局や軽自動車協会に車を持ち込んで車検を受ける)でとりあえず検査を通して整備はほとんどせずに納車する販売店もあります。この場合は点検整備記録簿もないことが多いです。
もちろん、オイルの漏れがあったり、足廻りにガタがあったり、ライト類が切れているなど車検の検査に通らない内容の不具合がある車はそもそも車検が通らないので、その辺は大丈夫でしょう。
現状で車検が残っている車に関しては、車検の検査も通すことなく納車されてしまうので、車検が残っている車は特に「法定点検付き」を選んでいただきたい。
油脂類や消耗品の交換はしてくれるのか
しっかり点検をしてくれても肝心の整備をしてくれなければ意味がありません。
少なくともエンジンオイル、ブレーキパッドやライニング、バッテリー、ベルト類などの消耗品を交換してくれるのかは確認しておきましょう。
もちろんまだ使用できる部品に関しては現状にはなりますが、納車前の点検でどの程度劣化や摩耗していれば交換してくれるのかは確認しておくといいでしょう。
例えば、「ブレーキパッドは3ミリ以下になっていれば交換」、「ベルトにひび割れ等の劣化があれば交換」など、聞けることはできるだけ事前に確認しておくと安心です。
保証内容の確認
中古車を購入する際に絶対確認してほしいのが、故障保証の内容です。
いくら整備をしっかりしていても、車は機械なのでいつどのような故障をするかは予測できません。
中古車を購入して数か月後に不具合が出て、修理費用が数万円、高ければ数十万円かかってしまうこともないとは言えません。そんな不安を解消してくれるのが故障保証です。
「保証付き」か「保証無し」か
中古車には保証付きで販売されている車、保証無しで販売されている車、または別途有償で保証が付く車があるので、購入時には必ず確認しましょう。
昔に比べ最近の車は故障は少なくなってきてるとはいえ、万が一故障してしまった際には大きな出費となるので、有償であっても保証は付けておくことをおすすめします。
年式が古かったり走行距離が多い車は、そもそも保証に加入できないこともあるので販売店に確認が必要です。
カーセンサーネットやグーネットでも保証の有無は表記していますので、事前に確認しておくこともできます。
保証期間と保証内容の確認
保証付きの車や有償で保証を付ける際には、保証される期間と保証される内容はしっかり確認しておきましょう。
保証期間
保証付きでも、保証期間が「1ヶ月または1,000㎞まで」や「3ヶ月または3,000㎞まで」だとあまり意味がありません。実際に結構多いです。
少なくても保証期間は1年以上をおすすめします。長いものだと保証期間10年まで選択できるプランがある販売店もあるので、保証費用やご自身の車の使用頻度等を考えて期間を選択しましょう。
走行距離の制限は、「無制限」や「10万㎞まで」など販売店が扱っている保証の種類にもよるので確認しましょう。
また、満期時に保証期間の延長やプランの変更ができる保証を扱っている販売店もあるので、購入時の費用を極力抑えたい方は、とりあえず短期間の安いプランで加入し、満期時に更新やプラン変更を考える方法もあります。
販売店により扱っている保証は様々なので、詳細は販売店スタッフに確認しましょう。
保証内容
保証付きでも、保証される範囲が極端に狭かったり、修理金額の上限が設定されている保証もあるので、保証に加入する際にはしっかり確認しましょう。
保証プランは様々あり、例えばエンジンやミッションのみ保証されるプランや、足廻りや電装品、ステアリング機構、ブレーキ機構、エアコン廻り、ハイブリッド車のハイブリッド機構等が対象となるプランがあったり、最近では衝突軽減装置の故障も対象になる保証プランもあります。
個人的には、販売店が取り扱っている1番上のプランをおすすめするが、価格も高いので内容を見て予算と相談しながら選んでいただけるといいでしょう。
販売店によって取り扱っている保証は異なりますので、詳細は販売店スタッフに確認しましょう。
私の経験上、保証に加入したけど期間中故障することもなく掛け捨てになってしまったお客様もたくさんいますが、加入していたことにより数万円、高ければ数十万円の修理代が無償で修理できて助かったお客様も数多く見てきていますので、保証に関してはじっくり考えていただきたい項目のひとつです。
現車確認するときのポイント
エンジンオイルの量を確認してみる
車の状態を確認するポイントとして、エンジンオイルのレベルゲージを確認するのもいいと思います。
ゲージにオイルが付かないくらい減っていたりすると、全オーナーのオイルメンテナンスが悪かったり、現状でオイル漏れがあったりエンジン内部でオイル消費をしている可能性があります。
車を使用する上で1番身近なメンテナンスがエンジンオイル交換なので、それが疎かということは他の部分のメンテナンスもしていないことが予想できます。
ゲージを見てオイルメンテナンスが悪そうな車は、安くても避けた方がいいでしょう。
購入してからすぐにエンジンが故障して数十万円の修理代がかかってしまう可能性もあります。
もし購入するとしても必ず保証には加入しておきましょう。
下廻り、足廻りの確認
もうひとつ車の状態を簡単に確認するポイントは、下廻りと足廻りを確認することです。
まず、下廻りと足廻りを覗いてみて極端に錆びていたりする車は避けた方がいいでしょう。
特に軽自動車はフロアが腐食して穴が空いたりしやすいので、そうなると購入後の車検も通らないということもあるので要チェックです。
また、ショックアブソーバーやエンジン廻り、ミッション廻りのオイルの滲みや漏れも確認できる範囲で確認してください。滲みや漏れがあった場合は、修理してから納車してくれるのか販売スタッフに聞いてみましょう。
まとめ
中古車を購入する際の注意点、チェックするポイントとは、まず修復歴の有無を確認すること。確認する方法として、カーセンサーやグーネットで鑑定(認定)付きの車を選び鑑定書を確認しましょう。
納車前の点検はしてくれるのか、どの程度のレベルの点検なのかを確認し、納車前の整備の内容も確認すると安心です。
故障保証の有無と保証内容や保証期間もしっかり確認して、購入後の故障トラブルにも備えましょう。
エンジンオイルや下廻り、足廻り等、自分でも簡単に確認できる部分は可能な範囲で確認して、気になる個所は販売店スタッフに確認しましょう。
良質な販売店は、全ての項目についてしっかり説明してくれます。車は高い買い物なので、車はもちろん販売店も慎重に選んでください。
この記事が車選びのお役に立てると幸いです。